納戸婆(なんどばば、なんどばばあ)は、
人家の納戸の中に棲んでいるという老婆の妖怪。西日本で伝承されている。
家人が納戸を掃除しようとすると、中から飛び出して床下へ逃げ込むという伝承が多い。
納戸から飛び出して人を脅かす老婆で、庭箒で叩き出すことができるともいう。
また、納戸を掃除すると床下に隠れるともいわれる。
西日本では納戸に神を祀ることが多いというが、この納戸婆も元は納戸神として祀られ、
家や家族の守り神であったともいう。
岡山県赤磐郡高月村(現・赤磐市)や上道郡(現・岡山市)では、
頭の禿げた老婆で、「ホーッ」と声を上げながら現れ、庭箒で叩き出すと縁の下へ逃げ込むという。
また香川県東部では、生まれたばかりの赤ん坊をさらうとも言われるが、
これは山姥との混同によるものとの説もある。
この他、奈良県、兵庫県、宮崎県にも同様の伝承がある。
類似の妖怪に棚婆(たなばば)がある。
神奈川県津久井町(現・相模原市)の伝承によるもので、
棚とは養蚕時に使われる三階のことをいい、そこに棲みつく恐ろしい老婆だという。
囲炉裏にいる「灰汁婆」も同類。